特集 将来に備えて胎児環境を整える─ DOHaD を学ぼう─
DOHaDの臨床(妊娠前):妊婦の出生体重と妊娠合併症との関連
荒田 尚子
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1国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター母性内科
pp.967-972
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000084
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低出生体重と成人後の高血圧,糖尿病,肥満,高血圧との関係が古くからいわれているが,低出生体重で生まれた女性は妊娠中も妊娠糖尿病,妊娠高血圧症候群,早産のリスクが高く,低出生体重児やSmall Gestational Age(SGA)児を出産しやすいことが報告されている。胎内,授乳幼児期の環境を受けて遺伝子の発現機構の変化(エピジェネティック変化)が起こるが,その変化は遺伝子情報とともに次世代へ継承される。このことは,低出生体重に伴う疾患素因が女性から児へ増幅されて引き継がれる可能性を示唆することから,低出生体重で生まれた女性の妊娠はより細やかな妊娠中の管理が必要であろう。
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