妊婦と喫煙・1
妊婦喫煙と新生児の出生体重
松本 治朗
1
,
石黒 達也
1
,
天崎 寿夫
1
1滋賀医科大学産婦人科
pp.332-337
発行日 1983年4月25日
Published Date 1983/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206226
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わが国では女性喫煙者が少ないため,妊婦喫煙についての関心は低い。これに対し西欧諸国では婦人の喫煙者が多く,妊婦喫煙に関してすでに多数の研究がなされており,その多くは妊婦喫煙の有害性を指摘している。ところが,日本専売公社の調査によると,日本人女性の喫煙率は過去15年間全体としてはほぼ一定であるのに対し,生殖活動に関与する20歳台の女性の喫煙率は上昇傾向にある(図1)。もちろん20歳台の女性の喫煙率が上昇傾向にあるとしても,これがただらに喫煙妊婦の増加に結びつくとは限らないが,生活様式の欧米化に伴い妊婦喫煙が今後増加することは十分予想される。このような事態に対応するため,妊婦を診察・指導する立場にある医師や助産婦は,妊婦喫煙について十分な知識を備えておく必要がある。
そこで今回から4回にわたって,妊婦喫煙に関する諸問題,特に助産婦に必要と思われる問題点について紹介していきたい。本シリーズが妊婦喫煙に対する関心を高めることになれば幸いである。
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