症例
emm12株による劇症型溶血性レンサ球菌感染症の1例
笠井 涼子
1
,
山口 直哉
1
,
真野 尚道
1
,
家田 大輔
1
,
根岸 豊
1
,
長谷川 忠男
2
,
齋藤 伸治
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科新生児・小児医学分野
2同細菌学分野
pp.471-475
発行日 2026年5月1日
Published Date 2026/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003865
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劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome:STSS)は主にA群β溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes, group A streptococcus:GAS)を原因とし,急激な経過で敗血症および各種臓器不全を呈する疾患である.本症は1980年代頃から北米やヨーロッパを中心に報告され,その後も各国から報告されている新興・再興感染症の1つである1).わが国では感染症法による五類感染症全数届出疾患であり,現在の届出対象となった2006年以降は,新型コロナウイルス感染症流行期を除き,年々増加傾向となり,2023年は過去最多となる949例の報告がされた2).本症は発熱,悪寒,筋肉痛などの非特異的症状に加え皮膚が侵入門戸の場合は,局所の皮膚症状から始まり,その後24時間以内にショック状態に陥ることが特徴であり,死亡率は30%程度と報告されている3).今回われわれは,皮膚所見を伴わず,口腔内を含む上気道が侵入門戸となり発症したと考えられる症例を経験したため,患者から分離されたStreptococcus pyogenesの細菌学的な検討を加えて報告する.

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