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絞扼性腸閉塞における超音波検査所見の検討
村重 皓斉
1
,
内田 正志
1
,
日高 一平
1
,
水谷 誠
1
,
立石 浩
1
1JCHO徳山中央病院小児科
pp.1062-1067
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003600
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絞扼性腸閉塞は,腸管の血流障害を伴う致死的な腹部救急疾患であり,早期診断と迅速な外科的介入がきわめて重要である.今回われわれは,絞扼性腸閉塞に特徴的な超音波検査所見を明らかにすることを目的とし,当院小児科で経験した絞扼性腸閉塞患者9例の超音波画像を後方視的に解析した.全例で腸管拡張を認め,7例に小腸内の高輝度な内容物貯留を認めた.この所見は,絞扼に伴う腸管内容物の性状変化を反映している可能性があり,絞扼性腸閉塞の早期診断を補助する有用な指標となり得ることが示唆された.腹部超音波検査は,非侵襲的でリアルタイムに病態を評価できるツールであり,とくに小児ではCT検査の適応や早期の外科的介入の判断に寄与する可能性がある.

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