特集 あらためて見直すDown症候群――適切な管理とサポートで よりよい成人期につなげる
よくある合併症・念頭におくべき合併症とその管理・予防
8.神経
平田 佑子
1
,
浜野 晋一郎
1
1埼玉県立小児医療センター小児てんかんセンター・神経科
pp.907-914
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003572
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Down症候群の神経合併症は,脳形態・神経伝達系の異常に加え,他の医学的合併症や環境要因によっても引き起こされる.知的発達症はほぼ全例で現れ,自閉スペクトラム症(ASD),注意欠如多動症(ADHD)の有病率も一般人口より高い.知的発達に加えて行動面や社会性にも注意を向ける必要がある.さらに,早期に認知機能低下が現れ,40歳代以降に認知症が急劇に増加する.早期診断の困難さがあり,移行前に知的水準や日常生活能力の再確認が勧められる.てんかんの合併も約8%と一般人口より高く,発症は乳児期が40%を占める.Infantile epileptic spasms syndromeの発症が圧倒的に多く,小児科医として診断遅延なく治療につなげるべきである.

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