特集 小児科医が診る泌尿器疾患アップデート――どう診断・治療するか? 予後はどうか?
4.尿道下裂・陰茎弯曲
-――診断・治療における小児科医の役割
澁谷 聡一
1
,
吉田 志帆
1
,
三宅 優一郎
1
,
宮野 剛
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院 小児外科・小児泌尿生殖器外科
pp.771-778
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003538
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尿道下裂および陰茎弯曲は約1/200~1/300の男児に認められる比較的頻度の高い先天性疾患である.出生時または乳児健診で発見される疾患であるため,小児科医が初期診断を担う機会が多い.診断には外陰部の視診が最も重要であり,外尿道口の位置や弯曲の程度により重症度は広いスペクトラムを有する.陰嚢形成不全も伴う重症の近位型尿道下裂は外陰部がきわめて女性型に近い症例もあり,性分化疾患との鑑別診断も重要である.初期評価には染色体検査,ホルモン検査,超音波による内性器の確認が含まれ,小児内分泌科の役割も大きい.6~18か月齢に病型に応じた手術治療が行われ,術後も排尿機能,性機能,整容性を含めた長期フォローが必要である.小児科医には早期発見,内分泌疾患の鑑別,適切なタイミングでの専門医への紹介が期待される.

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