特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅱ)
尿道下裂
原田 直彦
1
,
福山 和宏
1
,
福住 弘雄
2
,
服部 洋
2
,
佐々木 巌
1
,
森本 譲
1
,
朝倉 保
1
,
大西 確次郎
1
,
西崎 登
1
1大阪市立大学
2大阪市立大学大学院
pp.909-916
発行日 1962年8月20日
Published Date 1962/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202967
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緒論
尿道下裂は比較的少ない奇型であつて,男子300人に1人位の割合に認められる疾患である.この奇型は外尿道口が異所的開口したものであつて,開口部の位置によつて第1図のごとく,会陰部,陰嚢部,陰茎陰嚢部,陰茎部さらには冠状溝部等の尿道下裂(perineal-,scrotal-,penoscrotal-,penile-,glandulal-hypospadia)に分けられる.
この疾患は診断の点では全く問題はないが,治療上複雑な要因があり,Diefenbach(1836)以来多くの治療法が発表されてきたことはこの疾患の治療が難しいことを物語つている.
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