特集 大災害と子どもたち――Excluded and Invisible Ⅱ
今後の課題
11.大災害と子どもたち
-――いまだに見えない課題
今井 一徳
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科救命救急医療学/名古屋市立大学病院東部医療センター救急科
pp.706-710
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003516
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災害時には,平時のつながりやコミュニティの崩壊により社会のひずみが顕在化し,子どもたちを直撃する.子どもたちにとって「いつも」の生活が守られることはきわめて重要である.私たち小児医療者は,子どもたちの見えない声をしっかりと聴き,災害対応につなげていく存在でありたい.子どもたちの「いつも」を守るには, “主治医” の災害リテラシーの向上や,子どもにかかわるすべてのステークホルダーが連動できるような取り組みが不可欠である.災害を専門としない医療者が,どこまで時間や労力を割くことができるか,割いてもらえる取り組みができるか,分散するテークホルダーを誰がどうやってまとめるが鍵となる.

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