REVIEW & PREVIEW
大災害と心血管病
高橋 潤
1
,
下川 宏明
1
1東北大学大学院医学系研究科循環器内科学
pp.1159-1163
発行日 2014年6月10日
Published Date 2014/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107618
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最近の動向
東日本大震災は2011年3月11日に宮城県沖を震源に発生し,日本で生じた地震では最大級のマグニチュード9.0を記録した.これにより東北地方を中心に東日本は大きな被害を受け,特に太平洋沿岸地域は津波によって壊滅的な打撃を受けた.震災から約2年6カ月が経過した2013年9月11日現在の被害状況は,死者15,870人,行方不明者2,814人,負傷者6,114人であり,近年生じた大震災と比較しても,その被害の大きさは突出している(表1).そして,震災による生活環境の劇的な変化とさまざまなストレスに,既知もしくは未知の心血管病を有する多くの人々が一様に晒されることになった.
本稿では,東日本大震災後に心不全発症数が増加したことを示し,推定されるメカニズムを概説する.
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