特集 大災害と子どもたち――Excluded and Invisible Ⅱ
小児災害医療における特殊な対応
10.外国にルーツをもつ子どもに対する災害時支援
中村 安秀
1
1公益社団法人日本WHO協会 理事長
pp.700-704
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003515
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本稿では外国にルーツをもつ子どもに焦点を当てて,災害時における保健医療支援のあり方を論じた.阪神・淡路大震災や東日本大震災では,国境を越えた共感から生まれるグローバルな保健医療支援活動が広がっていた.今後は,グローバルな支援が国内外から届くことをあらかじめ想定しておく「受援力」が必要になろう.その際には,日本小児科学会ホームページから災害時の外国人小児診療のために必要な「多言語医療情報」が入手できるのでぜひ活用いただきたい.今後は,災害時には外国人も被災することを前提に,保健医療サービス提供の基礎データである死亡者数,負傷者数,被災者数などにおいて国籍別の情報を収集することを行政に求めたい.

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