特集 小児・思春期糖尿病アップデート――診断・治療から生活のサポートまで
Ⅱ 診断・治療と管理
5.単一遺伝子異常による糖尿病
鈴木 滋
1
1旭川医科大学小児科
pp.29-35
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003327
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単一遺伝子異常による糖尿病は,主に膵β細胞機能にかかわる遺伝子異常によって引き起こされる糖尿病で,新生児糖尿病とmaturity onset diabetes of the young(MODY)に大別される.これらは膵島関連自己抗体陰性で,インスリン分泌不全が病態である.小児糖尿病の2.5~6.5%とまれであるが,原因ごとに予後が異なり,病因特異的な治療が存在する.新生児糖尿病は生後6か月以内に発症し,KATPチャネル異常や染色体6q24異常が主な原因である.MODYは25歳未満発症の常染色体顕性遺伝を示すが,非典型例も存在する.遺伝子診断により個別化医療が可能となり,早期診断と適切な治療で予後改善が期待できる.
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