特集 小児・思春期糖尿病アップデート――診断・治療から生活のサポートまで
Ⅱ 診断・治療と管理
3.劇症1型糖尿病
三浦 順之助
1
1東京女子医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科学分野
pp.19-23
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003325
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劇症1型糖尿病は,高血糖症状の発現後1週間前後でケトアシドーシスに陥るほどβ細胞の崩壊速度が速い1型糖尿病のサブタイプである.発症に関連する要因は,遺伝的背景を基に,ウイルス感染等によりβ細胞崩壊の過程が惹起されると考えられている.そのため,初診時は急性胃腸炎などの感染症状で受することもあり,その時に高血糖を見逃すと致命的になることがある.成人発症例がほとんどで小児期発症症例はごく稀である.発症早期に内因性インスリン分泌が枯渇するため,治療は強化インスリン療法である.とくに小児期の症例では,血糖変動幅や低血糖の頻度などの観点から,連続血糖測定とインスリンポンプによる治療が推奨される.
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