特集 腸内細菌叢――実際のところ何が重要なのか
2.小児における腸内細菌叢の特性および肥満や運動習慣との関係
小栗 和雄
1
1岐阜聖徳学園大学教育学部
pp.734-742
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003105
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生涯にわたる腸内細菌叢の基盤は小児期に形成されることから,小児における腸内細菌叢の特性や外部要因との関連を理解することが重要である.本稿では,3~4歳の男女年少児54名と7~12歳の男子児童55名を対象に,腸内細菌叢,体格,肥満度,体力,運動習慣アンケートについて測定・調査を行った.その結果,日本人の幼児における腸内細菌叢の特性として,明らかな性差はみられないこと,幼児期から児童期にかけて大きく変化すること,1年間隔の変動性は小さく安定していること,個人差が大きいことが示唆された.また,幼児の腸内細菌叢は肥満度との関係はみられなかったが,運動習慣との関係は認められたことから,生後3~4年という短期間で運動の影響を受けながら腸内細菌叢が形成される可能性が示唆された.
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