特集 早期大腸癌1994
主題
Ⅰ.見つけ出し診断法
4.内視鏡検査
内視鏡検査(3)
斎藤 征史
1
,
井上 博和
1
,
本山 展隆
1
,
加藤 俊幸
1
,
丹羽 正之
1
,
小越 和栄
1
1県立がんセンター新潟病院内科
キーワード:
早期大腸癌
,
内視鏡診断
,
見逃し例
Keyword:
早期大腸癌
,
内視鏡診断
,
見逃し例
pp.63-68
発行日 1994年2月26日
Published Date 1994/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105706
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要旨 大腸内視鏡による早期大腸癌の見つけ出し診断法について述べる.早期癌の診断には,①内視鏡観察法,②病変の発見法,③見逃しの傾向と対策が重要である.①内視鏡観察法:内視鏡による観察の要点は十分に管腔を拡げ,観察は挿入時と抜去時に十分に行い,体位の変換や反転などにより盲点を少なくすることである.②病変の発見法:病変の拾い上げはわずかな発赤,びらん,凹凸,出血,白斑の発見に努め,更に色素撒布法などを併用し病変の確認と質的診断をし,内視鏡的切除により診断と治療を行うことである.③見逃しの傾向と対策:内視鏡による見逃しは経過観察例の数%にみられ,(a)多発例に多い,(b)haustraの強い直腸や右側結腸に多い,(c)扁平・陥凹病変が多い,(d)10mm以下の小病変が多い傾向がみられる.この見逃しは完全になくすることは不可能であり,根本的には時間をかけて観察することにより見逃しは減少する.しかし,効率を考えると短期間の定期的経過観察による見逃し病変の拾い上げがより重要と考える.
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