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併存疾患を含む小児のASD,ADHD症例におけるWISC-Ⅳのプロフィールの分析
岩橋 瞳
1
,
諸戸 雅治
2
,
桒原 康通
3
1市立福知山市民病院精神神経科
2同病院小児科
3京都府立医科大学大学院医学研究科分子生化学
キーワード:
WISC-Ⅳ
,
自閉スペクトラム症
,
注意欠如・多動症
,
併存疾患
,
認知プロフィール
Keyword:
WISC-Ⅳ
,
自閉スペクトラム症
,
注意欠如・多動症
,
併存疾患
,
認知プロフィール
pp.263-270
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002512
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精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)への改訂によって自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)の併存診断が可能になったことから,併存診断を受けた小児の症例のWISC-Ⅳの認知プロフィールを検討した.ウェクスラー児童用知能検査第4版(WISC-Ⅳ)の全検査IQ(FSIQ)が70以上の96名を,ASD群,ADHD群,ASD・ADHD併存診断群に分け,3群のプロフィールを比較した.その結果,3群のFSIQは標準値よりも低く,ASD群やADHD群は指標得点におけるプロフィールの偏りが小さかった.一方で,ASD・ADHD併存診断群においてはワーキングメモリー指標(WMI),処理速度指標(PSI)が低い傾向がみられた.併存診断群においてプロフィールの偏りが顕著であり,認知特性への影響が示唆された.
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