特集 近未来の小児科のあり方・これからの展望
Ⅲ 先端医学・難病対策
13.移植医療(造血細胞)
成田 敦
1
1名古屋大学大学院医学系研究科小児科学
キーワード:
造血幹細胞移植
,
移植後感染症
,
GVHD
,
SOS
Keyword:
造血幹細胞移植
,
移植後感染症
,
GVHD
,
SOS
pp.1522-1529
発行日 2022年12月20日
Published Date 2022/12/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002415
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造血幹細胞移植は骨髄,末梢血,臍帯血を幹細胞源として,患者の造血系を再構築する治療である.小児では,血液腫瘍のほか,免疫不全症,骨髄不全症,先天性代謝疾患など多くの疾患に対する治療法として確立している.近年,各疾患の病態解明が進んだことにより,分子標的薬をはじめとした多くの新規薬剤が上市されているが,今なお根治療法としての造血細胞移植の位置づけは揺るがず,原疾患の治療成績向上のみならずQOL改善についても飛躍的な革新を遂げている.支持療法の進歩により,従前のような高い移植関連死亡率はもはや許容されず,とくに小児においては急性期のみならず晩期合併症の軽減を視野に入れた治療方法が期待されている.
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