特集 近未来の小児科のあり方・これからの展望
Ⅲ 先端医学・難病対策
12.移植医療(心臓・心臓弁・血管)
福嶌 教偉
1
1千里金蘭大学大学院看護学部・看護学研究科
キーワード:
心臓移植
,
組織移植
,
補助人工心臓
,
免疫抑制薬
Keyword:
心臓移植
,
組織移植
,
補助人工心臓
,
免疫抑制薬
pp.1513-1521
発行日 2022年12月20日
Published Date 2022/12/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002414
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小児心疾患に対する移植医療には,脳死者から移植する心臓移植と,脳死または心停止後に死亡した者から移植する心臓弁・血管移植がある.まだ件数は少ないが,徐々に移植医療の理解も深まり,件数も徐々に増加し,海外渡航心臓移植件数の比率は激減した.心臓移植は,拡張型・拘束型心筋症などによる重症心不全の小児に行われる.待機中に全身状態が悪化した場合には,補助人工心臓を装着している.移植後は免疫抑制薬の服薬,感染症予防が重要である.心臓弁・血管は,挙児希望のある女性の弁置換や,複雑先天性心疾患の血管形成の手術で用いられている.ワルファリンや免疫抑制薬は必要なく,出産や激しい運動が可能となる有用な治療法である.
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