特集 小児科医に必要な止血・血栓・凝固・線溶の基礎知識
1.総論
-――止血・血栓・凝固・線溶の生理
石村 匡崇
1
,
大賀 正一
1
1九州大学大学院医学研究院成長発達医学分野(小児科)
キーワード:
一次止血
,
二次止血
,
線溶
,
血小板
,
凝固因子
Keyword:
一次止血
,
二次止血
,
線溶
,
血小板
,
凝固因子
pp.1605-1612
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002004
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出血と血栓から体を守る仕組みは,最も原始的な生体防御機構である.血液は血管内では凝固することなく循環し,血管外では速やかに凝固して止血する.血管内で異常な凝固が起これば血栓症(病的血栓)を発症し,血管外で凝固できなければ出血傾向を呈する.血管が破綻して出血すると,まず血小板凝集が起こり一次血栓を形成する.さらに,凝固因子が活性化することにより,強固なフィブリン網による血栓が形成され,二次止血が完了する.抗凝固因子の生理的な作用により凝固反応が適切に停止し,その後フィブリンが線溶系により分解される.血管,血小板,凝固因子,抗凝固因子および線溶因子の異常によって出血性疾患と血栓症が発症する.
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