診療
見逃してはいけない骨疾患
道上 敏美
1
1地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター研究所骨発育疾患研究部門
キーワード:
骨系統疾患
,
疾患特異的治療
,
低ホスファターゼ症
,
X連鎖性低リン血症性くる病
Keyword:
骨系統疾患
,
疾患特異的治療
,
低ホスファターゼ症
,
X連鎖性低リン血症性くる病
pp.60-67
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001603
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近年,いくつかの骨系統疾患においては,分子レベルでの病態の解明が進み,疾患特異的な治療が開発されている.低ホスファターゼ症は血清アルカリホスファターゼ値の低下と骨石灰化障害を特徴とする疾患であるが,酵素補充薬の導入により従来は早期に死亡していた重症例の救命が可能となった.また,X連鎖性低リン血症性くる病は,線維芽細胞成長因子23(FGF23)の過剰産生が病態の基盤となるが,2019年に他のくる病と鑑別するためのFGF23測定が保険適用となり,さらに新規治療薬としてFGF23抗体が導入された.これらの疾患を確実に診断することは適切な治療を選択するために必須であり,疾患認知度の向上が必要である.
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