Japanese
English
臨床報告
パイエル板の肥厚を先進部とする成人腸重積症の1例
An adult case of intussusception caused by a hypertrophy of Peyer's patch
杉森 志穂
1
,
山田 行重
1
,
明石 諭
1
,
伊藤 眞廣
1
,
島田 啓司
2
,
吉川 高志
1
Shiho SUGIMORI
1
1国保中央病院外科
2奈良県立医科大学病理病態学講座
キーワード:
成人腸重積
,
パイエル板
Keyword:
成人腸重積
,
パイエル板
pp.1205-1208
発行日 2012年9月20日
Published Date 2012/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104235
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
症例は29歳,女性.下痢,発熱,腹痛を主訴に受診した.腹部CTで上行結腸にmultiple concentric ring signを認め,腸重積症と診断し手術を施行した.重積整復後に回盲弁から30cm口側に腫瘤を触知し,小腸部分切除を施行した.切除標本で3×2.5cmの範囲の壁肥厚を認め,病理組織では粘膜固有層から粘膜下層の限局性のリンパ組織の過形成を認め,パイエル板の肥厚と考えた.パイエル板は乳児期にはその肥厚が腸重積の原因となるが,成人例は非常に稀である.一方,回腸終末部は悪性リンパ腫の好発部位であり,腸重積を発症することも知られている.本疾患は悪性リンパ腫との鑑別が重要であると考えられた.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.