特集 川崎病―原因究明・診断・管理の進歩
3.診断基準
-―川崎病診断の手引き 改訂6版について
鮎澤 衛
1
1日本大学医学部小児科学系小児科学分野
キーワード:
川崎病
,
発熱
,
BCG接種痕
,
冠動脈病変
,
不全型川崎病
Keyword:
川崎病
,
発熱
,
BCG接種痕
,
冠動脈病変
,
不全型川崎病
pp.953-962
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001376
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2019年5月,日本川崎病学会の委員会により,川崎病の「診断の手引き」が約15年ぶりに改訂された.主な変更点を以下に示す.① 主要症状の「発熱」について日数の条件を削除した.② BCG接種痕の発赤を主要症状の「発疹」のなかに含めることとした.③ 主要症状数と冠動脈病変の有無によってiKDを定義した.④ 症状数が4つ以下の場合に鑑別診断の必要もあらためて強調した.⑤ 冠動脈病変の定義として,心臓超音波検査による内径のzスコア+2.5以上を評価基準とすることを推奨した.⑥ 参考条項を診療上の意義から,4つに分類した.
この改訂によって,より早い病日に川崎病の疑いを持って治療可能な施設へ紹介しやすくなることと,疑いをもちながら不全型川崎病と診断できないため治療を行わずに冠動脈病変を合併する例が減少することを期待する.
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