特集 小児診療ガイドラインのダイジェスト解説&プログレス
感染症
9.ヘリコバクター・ピロリ感染症
加藤 晴一
1
1かとうこどもクリニック
キーワード:
ヘリコバクター・ピロリ感染症
,
小児期ヘリコバクター・ピロリ感染症の診療と管理ガイドライン2018(改訂2版)
Keyword:
ヘリコバクター・ピロリ感染症
,
小児期ヘリコバクター・ピロリ感染症の診療と管理ガイドライン2018(改訂2版)
pp.520-525
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001281
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Helicobacter pylori(HP)は持続感染により胃粘膜に炎症(慢性胃炎)を惹起し,一部の感染者に消化性潰瘍などを,さらに成人期には胃癌を発生させる.一方で,感染者の多くは無症状であり,治療対象となる関連疾患を発症しない.HPは小児期の慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍の主因でもあり,1997年,われわれは世界に先駆けて小児期HP感染症のガイドラインを公表した1).そして,日本小児栄養消化器肝臓学会(学会)として最初の改訂を行った2).しかし,抗菌薬耐性による一次除菌率の低下が表面化し,その対策が必要となった.さらに,成人で議論されている胃癌予防戦略を自治体レベルで小児に実施する動きもあり,学会として見解を出して混乱の収拾を図る必要が生じた.このような状況を受けて,今回,2回目の改訂を行った3).なお,本ガイドラインを簡略化した英語版を投稿中である.
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