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小児における深頸部膿瘍の病態と免疫学的考察
馬場 洋介
1
1順天堂大学医学部附属静岡病院小児科
キーワード:
深頸部膿瘍
,
咽後膿瘍
,
副咽頭間隙膿瘍
,
免疫学的応答
Keyword:
深頸部膿瘍
,
咽後膿瘍
,
副咽頭間隙膿瘍
,
免疫学的応答
pp.193-200
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001196
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小児における深頸部膿瘍は診断が重要であり,超音波検査や頸部造影CT検査を用いて迅速かつ的確に診断する必要がある.患児の年齢により炎症を呈する部位は異なり,その解剖学的位置関係などから呈する症状は変化する.とくに咽頭後間隙に発生する膿瘍は重症化しやすい.病原微生物はブドウ球菌や化膿性レンサ球菌が多く,緊急性がなければ内科的治療で経過観察が行うことができる.近年の傾向として外科的処置を要せず軽快する場合も多い.しかし48時間以上遷延する場合や気道症状が進行する場合には速やかな切開排膿術が必要である.症状が遷延し外科的処置が必要となる症例の背景ははっきりしないが,Th1優位の免疫応答を呈している可能性が高い.
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