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予後の異なった新生児エンテロウイルスB種感染症の2例
成相 昭吉
1
,
藤澤 直輝
2
,
平出 智裕
3
,
阿部 恭大
3
,
加藤 文英
4
,
山本 智彦
5
1松江赤十字病院感染症科
2島根県保健環境科学研究所ウイルス科
3島根県立中央病院小児科
4島根県立中央病院新生児科
5島根県立中央病院病理組織診断科
キーワード:
エンテロウイルスB種
,
エコーウイルス11
,
エコーウイルス18
,
経胎盤感染
,
マクロファージ活性化症候群
Keyword:
エンテロウイルスB種
,
エコーウイルス11
,
エコーウイルス18
,
経胎盤感染
,
マクロファージ活性化症候群
pp.201-209
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001197
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2018年の夏に予後の異なった早発型新生児エンテロウイルスB種(EVB)感染症2例を経験した.エコーウイルス18(E-18)が検出された症例1は満期で出生し日齢5に発熱を認め日齢8に解熱した.周囲に発熱者はなかった.エコーウイルス11(E-11)が検出された症例2は母親が分娩12日前に発熱と腹痛を認めていた.満期・経腟分娩で,羊水混濁・新生児仮死を認め出生し日齢9に死亡.病理所見で肝臓と副腎に広範な出血と壊死および骨髄血球貪食像を認めた.2011~2018年にEVBが咽頭ぬぐい液から検出された入院例88例について血清型を調べたところ,14種類を認めた.2018年以前,E-18は2015年と2017年に1例ずつ認め,E-11は2013年の1例のみであった.症例1は分娩時の垂直感染または出生後の水平感染,症例2は経胎盤感染と推測され,血清型,出生前14日以内の経胎盤感染,流行状況による母体の中和抗体価が予後に影響したと考えられた.
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