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特集 必携! 救急対応・手技マニュアル
深頸部膿瘍,降下性壊死性縦隔炎—抗菌薬の選択,緊急手術の見極め
Deep neck abscess and descending necrotizing mediastinitis: selection of antimicrobial agents and indications for emergency surgery
山下 拓
1
Taku Yamashita
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
深頸部膿瘍
,
降下性壊死性縦隔炎
,
外科的気道確保
,
薬剤耐性
,
排膿ドレナージ
Keyword:
深頸部膿瘍
,
降下性壊死性縦隔炎
,
外科的気道確保
,
薬剤耐性
,
排膿ドレナージ
pp.1050-1054
発行日 2024年11月20日
Published Date 2024/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411203845
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POINT
●深頸部膿瘍は全身状態の急激な悪化や生命をも脅かす病態に進展する可能性があり,迅速な診断・病態評価・治療介入が必要である。
●頻呼吸の有無の観察や咽喉頭ファイバースコープ検査を迅速に行い,中等度以上の喉頭浮腫,上気道狭窄があれば,呼吸状態が悪化する前に気管切開,輪状甲状膜切開などの気道確保を検討する。
●深頸部膿瘍を疑った場合,造影CTは必須検査であり,降下性壊死性縦郭炎の合併も考慮し撮像範囲は頸胸部まで行う。
●連鎖球菌,ブドウ球菌と嫌気性菌の混合感染が多いこと,βラクタマーゼ産生の耐性菌も多いことを念頭に広域のエンピリックセラピーを行い,その後de-escalationする。
●蜂窩織炎にとどまっているか,ごく限局した膿瘍以外は切開排膿術の適応であり,適切な介入が予後や治療期間短縮につながる。
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