特集 小児消化器疾患―最近の話題
2.小児のピロリ菌感染症
宮本 亮佑
1
1愛知医科大学小児科学講座
キーワード:
慢性胃炎
,
萎縮性胃炎
,
抗菌薬耐性
Keyword:
慢性胃炎
,
萎縮性胃炎
,
抗菌薬耐性
pp.118-124
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001185
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ピロリ菌は胃がん発生の強力な促進因子である.ピロリ菌感染は5歳までの小児期に起こり,除菌療法を行わないと慢性胃炎である萎縮性胃炎や,胃十二指腸潰瘍などを引き起こす.感染診断は,内視鏡による生検組織を用いる侵襲的な「点」検査と内視鏡を必要としない非侵襲的検査である「面」検査に分けられ,それぞれの検査の特性を理解して検査を行う必要がある.小児に対するピロリ菌除菌治療はわが国では保険適用外であり,リスク・ベネフィットを十分に検討したうえで治療を考慮し,進めるべきである.CAM耐性が世界的に問題となっており,除菌治療を行う場合は菌株の抗菌薬感受性に基づいて治療法を選択することが重要である.
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