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第1土曜特集 小児・AYAがんの最前線
神経芽腫に対する抗GD2抗体免疫療法
Anti-GD2 antibody immunotherapy for neuroblastoma
原 純一
1
Junichi HARA
1
1大阪市立総合医療センター小児血液腫瘍科
キーワード:
神経芽腫
,
抗GD2抗体
,
ジヌツキシマブ
,
免疫療法
Keyword:
神経芽腫
,
抗GD2抗体
,
ジヌツキシマブ
,
免疫療法
pp.55-61
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2800155
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抗GD2抗体にサイトカインを併用する免疫療法は全生存期間を延長することができる唯一の新規治療法である.2010年に米国で抗GD2キメラ抗体ジヌツキシマブにインターロイキン(IL)-2,顆粒球単球コロニー刺激因子(GM-CSF),イソトレチノインを併用する抗GD2抗体免疫療法の有用性が証明されたのを受け,GM-CSFを顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)に置換し,IL-2も国内製剤に置き換えたジヌツキシマブ免疫療法を医師主導治験で開発し,2021年に国内承認を受けた.本治療法は寛解導入後の維持療法として開発されたが,再発難治例に対するイリノテカン,テモゾロミド併用ジヌツキシマブの効果が示されて以来,現在では抗がん剤との併用した寛解導入療法への導入も検討されている.本治療法でエフェクターとして働く好中球やNK細胞などの機能に影響を及ぼす因子や耐性機序が知られており,今後はこれらの知見を活用して抗腫瘍免疫を高める努力を継続していくことが必要である.
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