特集 小児のがん―最近の動向
3.骨髄異形成症候群
長谷川 大輔
1
1聖路加国際病院小児科
キーワード:
小児
,
骨髄異形成症候群
,
遺伝性骨髄不全症候群
,
小児不応性血球減少
,
芽球増加を伴う不応性貧血
Keyword:
小児
,
骨髄異形成症候群
,
遺伝性骨髄不全症候群
,
小児不応性血球減少
,
芽球増加を伴う不応性貧血
pp.1027-1036
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000945
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小児の骨髄異形成症候群(MDS)は成人と異なる特徴を有し,とくに先天性素因の関与について近年注目が集まっている.診断には骨髄生検が必須であるが,再生不良性貧血や遺伝性骨髄不全症候群との鑑別にしばしば難渋する.治療方針は芽球の多寡によって決定する.芽球増加を伴わないMDSは無治療で長期間の血液学的安定が維持されるものから,短期間に病期進行をきたすものまで多様な経過をとるため,血球減少の程度,染色体異常の種類などを勘案して治療介入を行う.芽球増加を伴うMDSは造血細胞移植の適応であるが,移植関連死亡と再発が問題である.移植前化学療法の意義や最適な移植前処置の内容については結論が得られていない.
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