特集 小児のがん―最近の動向
1.白血病
江口 真理子
1
,
石前 峰斉
1
,
石井 榮一
1,2
1愛媛大学大学院医学系研究科小児科学
2今治市医師会市民病院
キーワード:
白血病
,
染色体異常
,
融合遺伝子
,
遺伝子変異
,
予後因子
Keyword:
白血病
,
染色体異常
,
融合遺伝子
,
遺伝子変異
,
予後因子
pp.1009-1020
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000943
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白血病は小児で最も多い悪性腫瘍であり,その治療成績は著明に改善し,多くの小児患者で治癒が得られている.治療成績の向上に寄与した要因の一つが染色体・遺伝子異常によるリスク層別化である.白血病の有する染色体異常・遺伝子異常はしばしば病型特異的であり,正確な診断・病型分類のみならず,治療方針の選択や予後を推測するうえで重要な情報でもある.近年の核酸解析技術の進歩により,白血病の有する遺伝子異常に関する情報は飛躍的に増加した.それらの意義づけと治療に有用な情報の選択が今後の課題である.白血病診療においては可能な限り分子遺伝学的な異常の有無を検索し,遺伝子異常に基づくリスク評価と治療法の選択が必須である.
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