綜説
マスギャザリングと感染症
加來 浩器
1
1防衛医科大学校防衛医学研究センター広域感染症疫学・制御研究部門
キーワード:
マスギャザリング
,
公衆衛生基盤
,
輸入感染症
,
輸出感染症
,
東京2020大会
Keyword:
マスギャザリング
,
公衆衛生基盤
,
輸入感染症
,
輸出感染症
,
東京2020大会
pp.1917-1924
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000701
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
マスギャザリングは,「一定の期間,限られた地域で,同じ目的の人が多く集まる状態」と定義され,さまざまな健康危機管理事態を想定した備えが重要である.マスギャザリングによって公衆衛生基盤の一部が破綻すれば,① 病原体の増加,② 非土着の病原体の侵入,③ 空間環境による感染リスクの増大,④ 感染経路対策の不徹底,⑤ 外来種節足動物による感染,⑥ 土着種節足動物による感染,⑦ 感受性者層の増加,などが起こり,感染症の発生のリスクが増加する.国際的なマスギャザリング時には,① 輸入感染症の発生,② 国内の流行疾患の発生,③ イベント会場から国内の他地域への拡散,④ 輸出感染症,などの影響が発生する.
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.