連載 災害と医療体制
マスギャザリング時の医療
森村 尚登
1
Naoto Morimura
1
1東京大学大学院医学系研究科救急科学分野
キーワード:
マスギャザリング
,
群衆
,
集団形成
,
多数傷病者事故
Keyword:
マスギャザリング
,
群衆
,
集団形成
,
多数傷病者事故
pp.571-573
発行日 2018年6月10日
Published Date 2018/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201344
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マスギャザリングは,「一定期間,限定された地域において,同一目的で集合した多人数の集団」〔第12回日本集団災害医学会総会シンポジウム(2007年,名古屋)〕を指し,従前より日本語の『群衆』がその訳に充てられてきた.近年は「集団形成」の表記も散見される.オリンピックや国体といった大規模の総合競技大会,市民参加型の大規模マラソン大会,コンサート,大規模花火大会などがこれにあたる.
人数による定義は25,000人以上1)とするものもあれば,1,000人以上2)というものもありさまざまである.世界最大規模のマスギャザリングは「メッカ巡礼」であり,その規模は数百万人である.近年は,「環境や場所に係る問題によってアクセスが制限された結果,緊急時の対応が遅れる可能性のある状態」が広義のマスギャザリングとして定義され,大都市の交通機関(地下鉄など),巨大商業施設,空港,客船における多人数の集団がその例として挙げられている3).
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