特集 小児医療における診断・治療の進歩2018
Ⅱ.治療技術
28.小児難治性悪性腫瘍に対するWT1ペプチドワクチン療法
橋井 佳子
1
,
岡 芳弘
2
,
杉山 治夫
3
,
大薗 恵一
4
1大阪大学大学院医学系研究科小児科
2同癌幹細胞制御学寄付講座
3同がん免疫学(大塚製薬)共同研究講座
4同小児科
キーワード:
がん免疫療法
,
小児白血病
,
難治性小児がん
,
WT1ペプチドワクチン
Keyword:
がん免疫療法
,
小児白血病
,
難治性小児がん
,
WT1ペプチドワクチン
pp.1815-1820
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000680
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がんに対する免疫療法は化学療法,放射線照射,外科的摘出術についで第4の治療として注目されている.小児がんは個体の発生と深くかかわり,免疫原性の高い抗原が脱落もしくは発現せず,自己に近くなることで免疫系からの監視を逃れていると考えられる.このため小児がんに対する免疫療法は自己由来抗原分子に対するCD8+T細胞による免疫応答が必要である.WT1タンパクは多くのがん患者で共通に発現するshared antigenの一つである.われわれは小児がんの特性をふまえWT1タンパクを標的として横紋筋肉腫,難治性造血器腫瘍に対し臨床試験を行い有害事象なく良好な結果を得た.WT1タンパクを標的とした免疫療法は小児がんに対する有望な免疫療法である.
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