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今月の特集 マイクロバイオーム
Microbiomeと悪性腫瘍
Microbiome and malignant tumor
角田 卓也
1
1昭和大学医学部内科学講座腫瘍内科学部門
キーワード:
microbiome
,
悪性腫瘍
,
免疫チェックポイント阻害剤
,
ICI
,
がん免疫療法
,
食物繊維
Keyword:
microbiome
,
悪性腫瘍
,
免疫チェックポイント阻害剤
,
ICI
,
がん免疫療法
,
食物繊維
pp.1322-1326
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203166
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Point
●腸内細菌叢と悪性腫瘍は密接な関係があることがわかってきた.悪性腫瘍の発生,予後,治療効果の全ての分野に関係している.
●最近,特にがん免疫療法である免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の臨床効果を規定する因子として腸内細菌は注目されている.その機序として,腸内細菌が発酵によって作り出す短鎖脂肪酸の作用が重要であると考えられている.
●ICIの臨床効果は,腸内細菌の多様性を減少させるような抗菌薬の投与や安易なprobiotics服用は治療効果を減弱させる.
●腸内細菌を変化させることで治療効果を上げる試みが始まっている.短鎖脂肪酸を多く作らせるように,その原料となる食物繊維を1日20g以上摂取することによってICIの臨床効果が上がる報告がある.食事とがん治療の関係が注目されている.
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