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特集 外科医のための癌免疫療法―基礎と臨床
臨床編
肝癌に対するペプチドワクチン療法
Peptide vaccine therapy for HCC
酒井 麻友子
1,2
,
中面 哲也
1
Mayuko SAKAI
1,2
,
Tetsuya NAKATSURA
1
1国立がん研究センター東病院免疫療法開発分野
2東京女子医科大学大学院消化器外科
pp.920-925
発行日 2013年8月20日
Published Date 2013/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104676
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【ポイント】
◆肝細胞癌に対して自ら固定したglypican-3(GPC3)由来のペプチドを用いたワクチン療法の臨床第Ⅰ相試験において,安全性,ペプチド特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の誘導効果,腫瘍内へのCTLの浸潤,一部の症例での抗腫瘍効果,ペプチド特異的CTLの最大頻度と全生存期間の相関を示すことができた.
◆ペプチドワクチン療法のproof of conceptともいうべき,ペプチドワクチン後の腫瘍生検組織にペプチド特異的CTLが浸潤していることを証明し,わずか2回のペプチドワクチン投与で肝内のほとんどの腫瘍が壊死した症例も経験した.肝細胞癌根治的治療後の再発予防効果を検証する第Ⅱ相試験も登録が完了した.この成果により製薬企業への導出が実現し,GPC3ペプチドを含むペプチドカクテルワクチン療法の第Ⅰ相の企業治験も進行中である.
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