特集 小児医療における診断・治療の進歩2018
Ⅱ.治療技術
21.心臓再同期療法
-―どこまでなおせるか
安河内 聰
1
1長野県立こども病院循環器センター
キーワード:
心臓再同期療法
,
拡張型心筋症
,
至適ペーシング部位
,
先天性心疾患
Keyword:
心臓再同期療法
,
拡張型心筋症
,
至適ペーシング部位
,
先天性心疾患
pp.1763-1769
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000673
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小児の重症心不全の非薬物治療として,両心室ペーシングを含む多点ペーシングによる心臓再同期療法がある.心臓の電気的・機械的収縮拡張の同期不全がある場合に適応となり,至適ペーシング部位の選択とペーシングのタイミングの設定をしたうえで,βブロッカーや冠動脈拡張薬などの抗心不全薬物療法をうまく組み合わせると心移植を回避できるような治療効果を示すことも可能な治療法である.小児においては,まだ大規模臨床試験はなく多数の臨床報告によるエビデンスしかないが,この治療により正常以上の収縮まで改善するsuper-responderの報告もあり同期不全をともなう重症心不全例に対して試みるべき治療法の一つであると考える.
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