症例
肺高血圧,両心不全をきたした重症閉塞性睡眠時無呼吸の1例
片山 宏祐
1
,
樋之口 洋一
1
,
積山 幸祐
2
1総合病院鹿児島生協病院小児科
2同耳鼻咽喉科
キーワード:
いびき
,
閉塞性睡眠時無呼吸
,
口蓋扁桃肥大
,
肺高血圧
,
心不全
Keyword:
いびき
,
閉塞性睡眠時無呼吸
,
口蓋扁桃肥大
,
肺高血圧
,
心不全
pp.1601-1604
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000641
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小児の閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)は小児の1~4%にみられ,眠っている間に呼吸努力があるものの,上気道が部分的に閉塞し呼吸が止まる,または浅くなり,睡眠の分断や質の低下をもたらす病態であり,まだ比較的歴史の浅い疾患概念である.無呼吸イベントの長さの定義は2呼吸以上の持続時間の無呼吸・低呼吸とされている.小児ではアデノイド増殖症・口蓋扁桃肥大などによる閉塞が圧倒的に多く,軽度のいびきを呈するのみで自然治癒していくものも多いが,感染などにより急激に呼吸不全が進行する場合もある.またOSAが長期にわたり進行し,適切な対処がなされずに慢性化すれば,肺性心などの重篤な合併症をきたすこともある1).
今回われわれは,口蓋扁桃肥大によるOSAから肺高血圧,両心不全をきたした1例を経験したので報告する.
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