特集 クリニックにおける乳幼児喘息のプライマリ・ケア
6.乳幼児喘息と鼻副鼻腔炎
西村 龍夫
1
1にしむら小児科
キーワード:
プライマリ・ケア
,
乳幼児喘息
,
鼻副鼻腔炎
,
鼻性喘鳴
,
過剰診療
Keyword:
プライマリ・ケア
,
乳幼児喘息
,
鼻副鼻腔炎
,
鼻性喘鳴
,
過剰診療
pp.1287-1293
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000568
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乳幼児は解剖学的に鼻腔と副鼻腔が一体になっているため,ウイルス感染症によって容易に鼻副鼻腔炎が起こり,症状は数週間続く.乳幼児の気道疾患を考える時には,鼻副鼻腔炎を意識して病態を考える必要があるが,そのためには鼻腔や鼓膜の観察を行うべきである.近年は乳児の集団生活が一般的になり,免疫学的に均一な集団では感染症の発生が必須である.とくに上気道感染症は多く,ウイルスや病原性細菌のキャッチボールが起こっている.このような社会環境のもとで起こった鼻副鼻腔の細菌叢の変化はウイルス感染症を重症化させることにつながり,乳幼児の喘鳴性疾患を増やしている.乳児喘息のほとんどは感染症によるものである.過剰診断には十分留意すべきである.
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