特集 思春期を診る!
Ⅱ章 小児科医が行う思春期診療─どう診るか?どこまで診るか?
25 消化器疾患(Wilson病・過敏性腸症候群)
清水 教一
1
N. Shimizu
1
1東邦大学医療センター大橋病院小児科
キーワード:
機能性腸疾患
,
脳腸相関
,
先天性銅代謝異常症
,
錐体外路症状
Keyword:
機能性腸疾患
,
脳腸相関
,
先天性銅代謝異常症
,
錐体外路症状
pp.659-664
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000447
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思春期における消化器疾患として,過敏性腸症候群とWilson病について解説を行う.過敏性腸症候群は思春期になるにつれてその発症頻度が増加してくる.腹痛あるいは腹部不快感と下痢や便秘などの便通異常が生じる.心身症としての要素もありストレスが強く関与してくる.診断にあたっては器質的疾患をしっかり除外することが必要である.Wilson病では思春期になると神経症状にて発症する症例が増えてくる.急性あるいは慢性の肝障害のみならず,この年齢での神経症状,特に錐体外路症状をみた時は,必ず疑うべき疾患である.また,これらの疾患を診る時には,それぞれの専門医と連携を取りながら診療を行っていくことも大切である.
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