特集 思春期を診る!
Ⅱ章 小児科医が行う思春期診療─どう診るか?どこまで診るか?
24 鉄欠乏性貧血
植田 高弘
1
T. Ueda
1
1日本医科大学付属病院小児科
キーワード:
思春期貧血
,
スポーツ貧血
,
鉄欠乏性貧血
,
ヘリコバクター・ピロリ感染症
,
サラセミア
Keyword:
思春期貧血
,
スポーツ貧血
,
鉄欠乏性貧血
,
ヘリコバクター・ピロリ感染症
,
サラセミア
pp.651-658
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000446
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・小球性貧血の大部分は鉄欠乏性貧血で,思春期特有の着目点があり,そこにサラセミアや炎症性の小球性貧血が紛れ込んでくる.
・多くの若者がスポーツ活動に心身を打ち込む時期でもある.スポーツ貧血の存在を認識し,関与している種々の要素を理解することができればきめ細かい対応が可能になる.
・慢性炎症の小球性貧血では血清鉄は低下するが総鉄結合能の上昇はなく,血清フェリチンは正常または上昇する.
・RBC 500万以上,Mentzer index(MCV/RBC×106)が13以下なら,鑑別に注意すべきサラセミアの可能性が高い.
・鉄剤不応性や再燃を繰り返す症例に遭遇するとき,患児の栄養状態,そして鉄剤の使用方法などを熟知しておくことが治療のキーポイントとなる.
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