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第6章 消化管
[過敏性腸症候群]脳腸相関の最新研究
奥村 利勝
1
1旭川医科大学
キーワード:
脳腸相関
,
腸管バリア機能
,
オレキシン
,
迷走神経
Keyword:
脳腸相関
,
腸管バリア機能
,
オレキシン
,
迷走神経
pp.578-581
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_578
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Summary
・過敏性腸症候群(IBS)の病態は脳腸相関が基本であり,主要病態に腸管透過性亢進(LG)がある.
・腸管透過性制御の中枢神経機構についての知見は限定的である.
・脳内オレキシンを中心とする神経ペプチドはLG改善作用を有し,腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸である酪酸塩は中枢神経系に作用してLGを改善することが示唆された.これらのメカニズムには迷走神経が重要な役割を果たしている.
・脳内オレキシンや迷走神経を治療ターゲットにすることで,IBSなどのLG関連疾患に対してまったく新しい治療法を生み出せる可能性がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2024