増大号特集 正しく指示する食事指導・食事療法
6.呼吸器疾患
田端 秀之
1
,
望月 博之
1
1東海大学医学部専門診療学系小児科学
キーワード:
誤嚥
,
胃食道逆流症
,
囊胞性線維症
,
Heiner 症候群
Keyword:
誤嚥
,
胃食道逆流症
,
囊胞性線維症
,
Heiner 症候群
pp.1433-1439
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000221
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小児科診療において,もっとも高い頻度で遭遇するのは呼吸器症状と考えられる.反復する咳嗽や喘鳴に対し,乳児ならずとも誤嚥を疑う機会は多く,摂食時姿勢の指導,増粘ミルクや食事へのとろみ付けの指導をすることで症状の改善が期待でき,また侵襲的な検査に代わり治療的診断としても役立つ.同様の症状を呈する胃食道逆流症に対しても,有効な治療の一つとなり得る.まれな疾患ではあるが,囊胞性線維症では栄養状態の改善が呼吸機能,ひいては予後の改善に寄与することが報告されており,Heiner 症候群でも乳製品の除去により症状が改善される.成人ではCOPD に対する栄養管理・食事療法が確立されているため,小児の呼吸器疾患においてもエビデンスの集積が期待される.
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