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特集 SSI診療の最新動向を探る!
Ⅲ.SSIの治療
主要な抗菌薬の移行性とバイオアベイラビリティ
Penetration and bioavailability of major antimicrobial agents
中島 美治
1
,
中田 麻里
1
Miharu NAKAJIMA
1
1独立行政法人労働者健康安全機構 関東労災病院,薬剤部
キーワード:
Bioavailability
,
Penetration
,
AMR
Keyword:
Bioavailability
,
Penetration
,
AMR
pp.541-549
発行日 2025年4月30日
Published Date 2025/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003383
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感染症の診療において,臓器,微生物,抗菌薬の3点の関係性は重要である。想定した微生物に対して,効果のある抗菌薬が感染臓器に移行し効果を発揮することが必要である。抗菌薬の移行性を考える際には,まずは投与経路を考える必要があり,経口抗菌薬を使用する際にはバイオアベイラビリティ(BA)を意識する必要がある。BAが高い抗菌薬としては,第一世代セフェムやニューキノロン系,クリンダマイシン,ST合剤などが知られている。抗菌薬の骨移行性においては,β-ラクタム系抗菌薬やダプトマイシンなどは骨移行性が低く,ニューキノロン系やST合剤,リファマイシンなどが高い。抗真菌薬においては,ボリコナゾールやフルコナゾールなどが高く,エキノキャンディン系はデータ不足である。薬剤耐性対策としてAWaRe分類が注目されている。移行性やBAの高いニューキノロン系などは使用に注意が促される薬剤であり,適正使用に留意する必要がある。

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