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特集 SSI診療の最新動向を探る!
Ⅱ.SSI予防の最新エビデンス
整形外科手術のSSI予防に陰圧閉鎖療法は有用か?
Is incisional negative pressure wound therapy effective for preventing SSI in orthopaedic Surgery?
勝見 俊介
1
,
篠原 光
1
,
有村 大吾
1
,
小幡 新太郎
1
,
脇谷 浩生
1
,
斎藤 充
1
Shunsuke KATSUMI
1
1東京慈恵会医科大学,整形外科学講座
キーワード:
Incisional negative pressure wound therapy
,
Surgical site infection
,
Orthopaedic surgery
Keyword:
Incisional negative pressure wound therapy
,
Surgical site infection
,
Orthopaedic surgery
pp.503-510
発行日 2025年4月30日
Published Date 2025/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003378
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これまで開放創に使用されてきた局所陰圧閉鎖療法(NPWT)は,2021年より手術一次縫合創に保険適用となった。創縁の引き寄せ,浮腫の軽減や血管新生などが早期創治癒を促し,SSIを予防することが期待されている。本邦では2社のデバイスが使用可能で,同一の使用基準・保険適用であるが,それぞれ陰圧や使用法は異なる。SSIを予防する可能性があり海外のガイドラインでは症例を限定して推奨されている。また,本邦では消化器外科領域のガイドラインで一部症例に推奨されているが,整形外科領域での推奨は未だない。そして,整形外科領域のランダム化比較試験では,いずれも予防的陰圧閉鎖療法(iNPWT)はSSI予防に有用であると報告されているが,対象疾患や術式,使用デバイスが異なるなど,エビデンスが脆弱である。しかし,現時点ではコスト以外の短所は少なく,適応を考慮しSSIリスクのある患者には使用を検討するべきである。

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