Citrobacter koseri感染による広範なガス像を伴った難治性腸腰筋膿瘍の1例

A refractory case of gas-forming iliopsoas abscess caused by Citrobacter koseri infection

要旨：患者は90歳男性で，腰痛および全身衰弱にて受診した。血清炎症反応は高値であり，CTにて両側大腰筋内の広範なガス像，L2/3椎間を中心とした椎体周囲のガス像を認めた。Citrobacter koseriによるガス産生を伴う腸腰筋膿瘍と診断した。軽快と再燃を繰り返し治療に長期を要したが，経皮的持続ドレナージと脊椎インストゥルメントによる後方固定を組み合わせた治療により，最終的に感染は鎮静化し椎間の骨性癒合が得られた。