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特集 脆弱性骨盤輪骨折―診断・治療と予後
脆弱性骨盤輪骨折の予後
Prognosis of the fragility fractures of the pelvis
堀江 直行
1
Naoyuki HORIE
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科,運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
キーワード:
Prognosis
,
Complication
,
FFPs
Keyword:
Prognosis
,
Complication
,
FFPs
pp.743-748
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003000
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要旨:近年の高齢化に伴い,脆弱性骨盤輪骨折(FFPs)は現在増加傾向にある。以前は,高齢者の恥骨骨折などは,保存治療で放置していても骨癒合が得られる予後良好な外傷と考えられてきたが,そのなかにも保存治療で離床できなくなり予後不良となる症例が存在することが報告されてきている。FFPsは,骨折型が進展する症例もあり,手術治療が必要となる症例があるが,その適切な手術時期については一定の見解がまだ得られていない。大腿骨近位部骨折は早期手術をすることで生命予後が改善できることが明らかとなってきているが,FFPsについては症例数が大腿骨近位部骨折ほど多数ではなく,その生命予後についてはまだ報告が少ない。われわれの調査ではFFPsの1年死亡率は全体で14.6%であった。手術時期が遅延した症例で再手術および死亡例があったことから,大腿骨近位部骨折同様,早期の離床を目的とした治療戦略が,手術を要する症例の生命予後改善には必要であると考える。
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