Japanese
English
経験と考察
大腿骨近位部転移・病的骨折に対する人工骨頭置換術の治療経験
Experience of treatment with endoprosthesis for pathological fractures of metastatic proximal femoral bone tumors
増井 文昭
1
F. Masui
1
1千葉西総合病院整形外科・関節外科センター
1Dept. of Orthop. Surg. and Joint Reconstruction Center, Chibanishi General Hospital, Matsudo
キーワード:
curettage
,
radiotherapy
,
cauterrization
,
bone cement
Keyword:
curettage
,
radiotherapy
,
cauterrization
,
bone cement
pp.313-319
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_313
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は じ め に
がん治療の進歩により骨転移を有する患者でも長期生存が可能となってきている.がん骨転移・病的骨折患者は高齢者に多く,さまざまな合併症をもつが,近年,生活の質(QOL)や死の質(QOD)を向上させるために積極的に手術が行われようになってきた.もっとも重要なことは予後を評価したうえで,術者の専門分野や得意分野を生かして余命期間のロコモティブシンドロームを回避することである.大腿骨近位部病的骨折では近位部骨組織・筋腱付着部切除の有無やインプラントの選択などが問題になる.予後に応じて術式選択が行われるが,予後良好な症例では術後機能に加えてインプラント弛みおよび折損といったインプラント関連合併症(implant-related complication:IRC)が臨床上問題になってくる1,2).現在,当科では予後に応じて術式選択を行っているが(表1),本研究では,大腿骨近位部病的骨折手術例のうち,人工骨頭を用いて再建を行った7例について術前・術後30日の機能改善,再発,IRC,骨修復を検討したので報告する.
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