寛骨臼巨大骨欠損症例に対するKerboull十字プレートと塊状骨移植を用いた初回人工股関節全置換術

Primary total hip arthroplasty using Kerboull acetabular reinforcement device and structural allograft for severe bone defects of the acetabulum

要旨：人工股関節全置換術（THA）において寛骨臼の巨大骨欠損を認める症例に対して，単独の塊状骨移植では長期成績が低下することが知られている。当院では塊状骨移植とKerboull十字プレートもしくはKTプレートを用いて再建しており，その成績を調査した。2006年5月から2021年3月に行った24例25股を対象とした。臨床的，X線学的に調査した。JOA hip scoreは術前平均30.9点から調査時平均86.7点に有意に改善した。経過中にプレートの破損やカップのloosening，移植骨の圧潰を認めた症例はなかった。寛骨臼の巨大骨欠損症例にKerboull十字プレートと塊状骨移植を用いた初回THAの成績は良好であった。