整形トピックス
細胞シート移植による変形性膝関節症の再生医療
佐藤 正人
1,2,3
1東海大学整形外科
2東海大学大学院運動器先端医療研究センター
3東海大学総合医学研究所
pp.30-30
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei77_30
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背 景:変形性膝関節症(OAK)は緩徐ではあるが進行性の変性疾患であり,関節温存を目的とした生物学的治療の確立が求められている.温度応答性培養基材上で作製する軟骨細胞シートは,細胞外マトリクス(ECM)を保持したまま欠損部へ面で密着できるスキャフォールドフリー技術である1).前臨床試験では,ウサギ骨軟骨欠損モデルを用いて,滑膜細胞よりも軟骨細胞シートの組織修復効果に対する有用性を示し2),ヒト軟骨細胞シートが免疫不全ラットの骨軟骨欠損に対し硝子様軟骨再生を誘導し,疼痛抑制効果も確認した3).国際軟骨修復学会(ICRS)組織学的スコアを対照群より有意に改善させた3).ミニブタを用いた大型動物実験においても有効性を確認した4).
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