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特集 女性アスリートのサポートを考える
内科医の立場から
-―内科疾患における性差―
From the standpoint of a physician;gender difference in the medical diseases
蒲原 一之
1
Kazuyuki KAMAHARA
1
1国立スポーツ科学センター
キーワード:
Female athletes
,
Anemia
,
Eating disorders
Keyword:
Female athletes
,
Anemia
,
Eating disorders
pp.1513-1520
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002348
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要旨:メディカルチェックや日頃の外来診療において女性アスリートに多くみられる内科疾患について紹介し,その中でも性差のある疾患を取り上げた。一般に女性に多い内科疾患はアスリートにおいても女性に多い傾向がある。具体的には貧血,甲状腺疾患,片頭痛,自己免疫性疾患,摂食障害などが挙げられる。そのうち最も多くみられる貧血と,疲労骨折などの整形外科的疾患とも関係の深い摂食障害について取り上げた。貧血に関しては一般人と同様,アスリートにおいても鉄欠乏性貧血が多い。アスリートにおいては激しいトレーニングによる発汗や消化管出血などによる鉄の喪失量が一般人よりも多く,女性の場合はさらに月経による出血が加わるので,女性アスリートには鉄欠乏性貧血が多いと考えられる。摂食障害に関しても,女性アスリートの場合は競技パフォーマンスの維持・向上のために必要以上に痩身を要求してしまうために摂食障害が多いのではないかと考えられる。
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