特別掲載 臨床スキルアップ 主訴とその他所見からの鑑別診断
第1回 息切れ
各論 2.産婦人科の立場から
若槻 明彦
1
1愛知医科大学
pp.1037-1039
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000914
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息切れとは,呼吸をするのに努力を必要として不快感を自覚することで,表現としては息がつまる,胸が圧迫される,空気がほしい,呼吸が重い,努力しないと呼吸ができない,呼吸が浅い,十分に息を吐けない,呼吸が早いなど様々である.息切れの原因として器質的疾患が存在する場合,必要とする酸素量の供給不足が症状につながることが多い.一方,女性の場合は更年期頃になると女性ホルモンのエストロゲンが減少することに伴い,様々な不定愁訴が出現する.これらを更年期障害というが,このなかに動悸や息切れの症状も含まれる.したがって,更年期の女性が息切れ症状を自覚して受診した際には,他の疾患との鑑別が重要で,器質的疾患が除外される場合,更年期障害の可能性を念頭においた管理が必要となる.
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